2016年07月15日

直也、シンちゃんは

何度か深呼吸をして冷静さを戻したユウコは、僕に声をかけた。ねえ、覚えられた?」無理だべ、後でゆっくり見てくけ」そうだね、すぐには覚えられないもんね」入学式までの間に、見ておくべ」あのさあ、いつも思ってたんだけど、その方言、やめれば」向こうに行けば、やめるべ、きっと」本当に?…できるの?」たぶんな、でもどうだべ?」

ユウコの声かけに、適当に答える僕だった。話は卒業アルバムの事に戻るが、僕には添え書きのページで気になる事があった、なあ、ユウコ、気になる事があるんだ」ユウコは驚いた感じで、え?って感じで、瞳を大きくしながら、僕を見つめた。そう驚いたのは、僕が卒業アルバムを見て、気にしているという事だ。
以前の僕は、ユウコに今のような思いで、恋をしながら話す事はなかったし、僕自身、不思議な感じだった。
きっと、ユウコも同じような感じだったんだろうと思う。
それから、地方の方言を使わなかったからかも。

何か気になるの?」と、ユウコは照れくさそうに聞いてきた。まるで、僕が恋の告白をすると思っていたかのようにだ。僕は、ユウコの顔を見ていて、そ牛熊證重貨區
う思い、ユウコの瞳から目をそらした。そして、卒業アルバムの添え書きのページを見つめていた。ハハハ、直也、シンちゃんは1年生の時、数ヶ月で転勤したから、写真はないからね」じゃあ、わからねえじゃねえか、誰が書いたんだ?」私が、シンちゃんの代わりに書いたんだよ、シンちゃんに頼まれたから」僕は、呆然としながら、そうだったんだと思ったが、顔が仮面の同級生の顔を想像していて言葉を失った瞬間だった。

あのさあ、本当にシンちゃんのこと覚えてないの?」覚えているような、覚えていないような、そんな感じだな」あ、そうなんだ、いずれ思い出すでしょ」ハハッハハッハハハッハ」
「ハハッハハッハハハッハ」小さな声で僕とユウコは、2人で笑った。あいつらも、それなりに点数取ってたと思うけど」そうね60点以上は何とかね、でも直也は違うでしょ?」僕は、点数の事なんて考えることもなかった事に気づいた時だった。  


Posted by 作戏レクトリウムのベッドよりは技術だ at 13:40Comments(0)
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